お気に入りに追加されました
メニュー

バールの種類と選び方、釘抜きや解体での使い方を紹介

バールとは

バールは金梃(かなてこ)ともいい、金属製の長い棒の先端がL字に曲がっている形状の工具です。用途は、釘を抜く、テコとして重いものを持ち上げる、ハンマーのように叩く、壁の解体などとさまざまです。

バールの種類

種類|形状

  • バール・平バール

    • 釘抜き
    • Lの長手側はテコ状や尾割れなど
  • カジヤ(鍛冶屋)

    • 釘抜き機能に特化
    • 両端が釘抜き
    • ハンマーとしても使用可能
  • インテリアバール

    • スクレーパー作業
    • テコ
    • 釘抜き
    • ハンマー
  • 三徳釘〆(くぎじめ)

    • 釘締め
    • 釘抜き
    • ハンマー
  • 鶴首バール

    • 軽い力での釘抜き
    • 氷状の雪を割る
    • 土を掘る
  • ノンスパーキングバール

    • 防爆仕様
    • 使用中火花が出ない
  • 金テコ

    • テコ作業
    • こじる
    • 荷物を移動させる
    • 庭木の根起こし
    • (バールではない)
  • 釘抜き

    • 釘抜き
    • 鋲抜き
    • 自動車の内張りはがしにも
    • (バールではない)

種類|サイズ・材質・柄

  • 大きさ(長さ)

    バールには15cm〜1m程度の長さがあります。長さによって使い勝手が違ってきます。どのような作業をするかによって柄の長さを変えるようにします。

    一般的なサイズとしてよく用いられているのが全長250mm程度のバールです。釘抜き作業や軽度の解体にちょうど良いサイズです。
    釘抜きだけを多く行うのであれば250〜400mmまでの長さがおすすめです。

    解体作業で使用するなら、450〜600mm程度のバールが良いです。セルフリフォームなどの作業で使用するのにはちょうどよい重さで、壁を破壊する時にも使用できます。
    バールは長いものほどより強力なパワーが得られます。壁や床を剥がす、大きな釘を抜くなど手壊し解体の作業を目的としているなら、さらに長い1000mmのサイズを使用すれば、重量もあるため解体が捗りますし、長い分高所にも届きますし、床を剥がすのにも作業しやすくなります。また災害時、ガレキや家具・柱などの除去や、家や車のドアのこじ開けに備えるにもこの長尺のバールが良いでしょう。

    200mm以下のサイズの小さいバールは、持ち運びに便利です。木工作業でだけ使用するならこのサイズでも十分です。釘締めもできる三徳釘〆を持っておくのも良いですね。

  • 材質

    バールの材質はステンレスや、鉄と炭素を合金した炭素鋼、その他様々な元素と鉄を合金した特殊鋼などがあります。
    使用目的に合った材質を選ぶようにすれば  道具が長持ちします。

    ・ステンレス:
    錆びにくく水に濡れるような作業でも使用可能。

    ・炭素鋼:
    ある程度の強度と粘り強さがある。

    ・特殊鋼:
    軽くて丈夫なものや、摩耗や熱に強いなどの特性がある

  • 柄の形状

    柄の部分を断面で見ると形状にいくつか種類があります。作業に特化したものを選ぶことでより効率をよくしてくれるはずです。

    ・薄く平たい形:
    スタンダードな形状で、角がなく中央が少し窪んでいる。くぼみに指をかけて使いやすい。釘抜き作業などに。

    ・八角形(多角形):
    角があるため滑りにくく、円形に近いため力を入れて握りやすい。どの方向から握っても力を入れやすいため解体作業ややテコ作業で使いやすい。

    ・中空円形:
    熱処理された金属パイプの柄。中が空洞になっているため軽いのが特徴。強度が劣るため軽作業向き。

     

バールの用途ごとの使い方

釘を抜く

  • 釘を抜きたいときは、先端の割れているところで釘を引っ掛け、てこの原理でバールを倒して釘を引き抜きます。
    バールの入らない少し埋まっているような釘や、頭のない釘の場合は土台の木にバールを打ち込むようにして割り込みに釘を引っ掛ければOKです。しかし木に傷がついてしまうので注意です。

内装の解体

  • 壁や天井

    内装の解体に使われる道具として欠かせないのがバールです。

    壁を壊すときは、まずはバールの尖っていない顎の部分を利用してめくり口になる穴を開けます。初めから尖った部分を壁につき刺さないようにしてください。中のケーブルを傷つけてしまう恐れがあります。顎の部分でそのまま線を描くように横へ横へと叩いていきます。1〜2mほどできたらあとはバールの先端を引っ掛けててこの原理を利用して引き剥がします。残った部分は手で引きはがせばOKです。

  • フローリングをはがすときは、まずはめくり口を作ります。フローリングの継ぎ目はサネでしっかりはまっているので、丸のこで30cmほどサネを切断しておきます。そこの切り口からバールのまっすぐの方を差し込みます。金づちで叩いて奥へとさらに差し込んで浮かせます。めくり口ができたら、あとは床との隙間にバールを差し込みながらどんどん剥がしていきましょう。

    フロアタイルやフロアシートなど床材をはがすときは、隙間からバールのまっすぐな方を差し込み、こそぎ取るようにして浮かせてはがします。シート状のものは端がはがれたら、あとは手で引っ張って全体をはがしましょう。

はがす・めくる

  • 壊すというよりも、綺麗にはがしたい時にはインテリアバールを使います。

    例えば、壁を壊さず巾木(はばき)だけをはがしたいときは、壁との隙間にインテリアバールの薄い方を上から叩いて差し込んだら、手前に倒してゆっくりとはがします。いっきに手で引っ張らず、横に少しずつズレながらバールを差し込んではがす作業を繰り返していきましょう。

    はがす際に気をつけたいのは、できるだけバールを奥まで差し入れることです。材が途中で割れてしまうのを防ぎます。

こじあける

  • 災害時などに

    もし、地震など災害が起きて部屋に閉じ込められてしまった場合、外に出るためにドアをこじ開ける必要があるかもしれません。

    ドアをこじあけたいときは、バールの先端をドアノブがある方のすき間に差し込んで、バールを外側に倒し力をかけるようにします。

ハンマー・釘締め

  • カジヤは片側がハンマーのような形状になっており、小さい金づちとして使えます。作業中多くの道具を持ち歩かなくてもいいので、ある程度の作業をこなせればOKというときはカジヤが一つあれば十分です。

    釘抜き、釘打ちに加えて釘締めもできるのが、三徳釘〆です。釘を最後まで打つ、さらに食い込ませる時に使える釘打ちに特化した道具です。

テコとして・持ち上げる

  • 重いものをどかすために少し浮かせたい場合もバールが使用できます。

    ものの下のすき間からバールを差し込み、反対の端を押し下げることで、重いものでも簡単に持ち上げることができます。長いバールほど軽い力で持ち上げることができます。

土を掘る・ほぐす

  • 小径で深い穴を掘ったり、硬い土をほぐすときにもバールが使用できます。園芸用バールというものもあり、根切りができるものもあります。

バールの選び方

  • 先端・尾の形状で選ぶ

    先に紹介した通り、バールの仲間には様々な種類があります。先端と尾で2種類の用途で使えるので、どんな作業が多いのかを考慮して合うものを選ぶと良いです。

    形状には、釘抜き(L字・I字)、金てこ型(尾平・尾割れ)、スクレーパー型(尾平・尾割れ)、釘締め、があります。

  • 長さで選ぶ

    バールの長さは、かけられる力の強さと関係があります。
    バールの使い方で多いのがテコの原理を利用した方法です。支点と力点の関係で支点から力点が遠いほど作用点にかかる力が強くなります。

    パワーの必要な作業には長いバールを、内装などの細かい作業には短めのバールを選ぶと良いでしょう。

  • 重さで選ぶ

    バールの重さは長さとほとんど比例します。叩き壊す作業をしたいときに長いバールの方が重いため力も強くなります。

    バールの柄の部分の形状には種類があり、中空円形のものは軽量化されているタイプです。天井に向かって作業しているときなどは軽い方が疲れにくくおすすめです。

  • 柄の形状で選ぶ

    実物を手に取って選べる機会があるならば、握りやすい物を探すのが作業するのに一番良いでしょう。

    柄の形状は平たいもの、パイプ状、八角形などがありますが、太さもそれぞれ違いますし太さ、握りやすさも変わってきます。

  • 材質で選ぶ

    バールは粘りのある金属で製造されていますが、やはり素材によって耐久性が変わってきます。どんな場所でどの用途で使用するかによって材質を選ぶようにしてください。

    例えば、火花を出してはいけない現場などで使用できる、ノンスパーキングバールというものもあります。

まとめ

  • バールは、両端がそれぞれ違う形状になっていて、どんな用途で使用するかによって適しているものが変わってきます。サイズも豊富にあるため、どんな作業で使用するのかを絞ってあっているものを選んでみてくださいね!