室内の壁にちょっとした棚やフック、時計を取り付けたいけど、ピンやネジだけでは崩れて取れてしまった、という方も多いと思います。そんなときに準備しておくのが「石膏ボード用アンカー」です。ネジがしっかり固定され、多少重いものも取り付けられるようになるんです。
壁にフックや棚を取り付けたい
壁にフックや棚を取り付けたい時は
ボードアンカーを使用する前に
チェックしておこう
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どうして壁に打ち込んだネジが抜けるのか
壁に打ち込んでいたネジが抜けてしまった
すぐにグラグラしてくる
白い粉が出てきたこれらの理由は、「石膏ボード」にネジを打ち込んでいるから。
石膏ボードとは、石膏(粉)を固めて板状にしたものの両面をボード用原紙で包んだ建築材料です。
防火性、遮音性に優れ、価格が安く施工しやすいため、日本の住宅のほとんどの壁が石膏ボードで作られています。石膏ボード自体はとても脆いため、ネジを支える力がありません。新築やリフォームで家を建てるとき、壁に棚を取り付ける予定があるなどと強度の必要な場所には、元々木材を補強剤として壁に使用します。
そのため、後から壁に棚やフックを取り付けたいと言った場合には、石膏ボードの壁に直接取り付けるしかなくなるのです。 -
壁の裏を探る
石膏ボードの壁に何か取り付ける際、しっかり取り付ける方法としてあげられるのが、壁裏にある下地(間柱)にネジを打ち込む方法です。
壁裏センサーを使って、下地のある場所を探し、そこにネジを打ち込むようにすることで、ネジが下地にしっかり固定されて簡単に抜けなくなります。ただし、取り付けたい位置に下地がなければしっかり固定することができないため自由度は低いです。
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壁裏の構造
下地のない場所にしっかりネジを固定したい、そんなときに使用するのが「石膏ボード用アンカー」です。
壁の裏側はこのような構造になっています。
ボードアンカーは、壁裏に何もない所、下地のない所でしか使用できません。
ボードアンカーを使用する前に、裏側に何もないかを確かめてから使用するようにしましょう。
センサーがなくても、針を壁にスッと差し込んでみて途中で針が止まらなければ裏側は空洞になっています。 -
裏から見ると
アンカーを取り付けた壁を裏から見るとこんな感じです。
壁の表と裏から挟むようにしてアンカーが広がり、ネジの土台となっているんです。 -
横から見ると
壁を横から見てみるとこのようになっています。
金具のねじ穴に合わせてアンカーを壁に打ち込んでおき、通常通りネジを締めるだけです。これですぐにグラグラして、抜けてしまっていたネジがしっかり固定されるようになります。
アンカーの種類
下穴不要のねじ式アンカー
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ボードアンカーを取り付けるには、壁にねじ穴よりはるかに大きい1cmほどの穴を開けることになります。
このネジを太く大きくしたような形のアンカーは、径が1cm程度あります。
取り付け方は簡単で、ドライバーを使用して壁にそのままネジと同じ容量で回していくだけ。大きなねじ山が石膏ボードに食い込むことで固定される仕組みです。
他のボードアンカーに比べると、一番強度の弱いタイプになります。 -
アンカーが取り付けられた後は、上から金具を合わせてネジを取り付ければOKです。
壁裏で傘が開くタイプのアンカー
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トグラーと呼ばれるボードアンカーは、壁の裏側で傘のように開いて表と裏から挟み込むような形で固定しているタイプです。
準備として、壁に8mmの穴を開けておく必要があります。①取り付け位置に穴をあける
②③トグラーのの先端を折りたたむ
④開いたときに縦向きになるように穴に押し込む
⑤ハンマーで奥まで差し込む
⑥付属のピンをねじ穴に差し込む
⑦ピンをハンマーなどで押し込むことで折りたたんだ先端が押し出されて開く
⑧アンカーの取り付け完了 -
裏側ではこのように傘が広がって固定されています。
ネジが傘の中心に刺さり固定されます。
その他のアンカー
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様々な種類がある
ボードアンカーはメーカーによって様々な種類が作られています。
大きなねじ式のもの、壁裏で開くタイプのものなど、形は違えど似たような働きをしています。アンカーの素材や形によって強度が違うため、何kgほどのものを壁に取り付けたいかを前もって決めておき、その用途に合ったアンカーを選ぶと良いでしょう。
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+αで接着剤を使うタイプ
石膏ボードだけでは脆いため、アンカーを取り付けたところに接着剤を流し込んで周りのボードを固めるタイプや、穴を開けたところにスポンジと接着剤を入れて固めるタイプもあります。
ゆくゆくはアンカーを取り外したい、アンカーより目立たせたくない、という方にはこう言ったタイプを試してみるのも良いかもしれません。