物と物をはり合わせたり、組み立てたりする際に使用される接着剤。それ以外にも割れてしまったお皿やプラスチックをつなぎ合わせる時に使用したことのある方もいるのでは?
接着剤の種類と選び方
接着剤とは
接着剤の基礎知識
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接着剤の長所と短所
接着剤を使うメリットは、接着したい物の種類や大きさ、形、厚みに関わらず使用できて、美しく仕上げられるところです。
一方、接着したい素材に合わせて接着剤を選ばなければならず、接着できない素材も存在します。
固まるまでに時間がかかることもありますし、熱や水に弱い点や、接着後に剥がすことが難しい点にも注意が必要です。
接着剤の種類
木工用接着剤
- 木
- 布
- 紙
金属用接着剤
- 金属
コンクリート用接着剤
- コンクリート
タイル用接着剤
- タイル
- 陶磁器
ガラス用接着剤
- ガラス
プラスチック用接着剤
- プラスチック
- ポリプロピレン
- 発泡スチロール
ゴム・皮革用接着剤
- ゴム
- 皮革
- 金属
多用途接着剤
- 様々な材料に対応
接着剤の選び方
接着したい素材から選ぶ
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素材ごとに接着剤は変える
すべての素材で同じ接着剤が使えるわけではありません。塗布する面の素材に合わせて接着剤も選びましょう。
【接着できる素材】
木材/合板、金属、ガラス、コンクリート、石、タイル/陶磁器、発泡スチロール、硬質プラスチック、塩化ビニル、合成ゴム、皮革【接着が困難な素材】
ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、フッ素樹脂などの一部樹脂、シリコーンゴムなど -
異素材同士を接着する場合は
異なる素材の接着する際の選び方は、
・かたいもの同士の接着のか
・かたいものと柔らかいものを接着するのか
に分けると選びやすくなります。かたいもの同士の場合は「もろい」素材を基準とします。素材の強い方に合わせた接着剤ですと硬化後に硬くなりすぎて、もろい方が壊れてしまいます。
柔らかいもの同士の場合は「より柔らかい」素材を基準とします。かたい素材に合わせた接着剤ですと柔らかい素材のしなりやたわみについていけずはがれやすくなってしまいます。例えば金属とコンクリートでしたらもろいコンクリート用を、プラスチックと金属でしたらプラスチックに合わせた接着剤を選びましょう。
接着剤の性能から選ぶ
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使用する条件は?
接着後にはがれてしまったという事も多々あるはずです。
・熱くなる場所
・水がかかりやすい場所
・衝撃、力が加わる場所
上記の場所は剥がれやすくなりますので、どんな条件下で使用するのかによって耐久度の違う接着剤を選びます。多くの接着剤は60~80℃程の耐熱温度が設定されていますが、高温になると剥がれやすくなりますので注意が必要です。
また水がかかりやすいところには溶液系(アルコールや水などが溶剤のタイプ)は弱く、反応系(硬化剤混合型や湿気硬化型)が向いています。そして衝撃には接着後も弾性のある接着剤が強いです。
力がかかる方向についても選ぶ際に必要な情報となります。 -
接着剤の性質は?
接着剤によってそれぞれ硬化し、くっつくまでの経過が違います。
例えば、
・瞬間接着剤のように短時間でくっつくもの
・溶剤が蒸発して硬化していくもの
・空気中の水分やUVに反応して硬化するもの
などがあります。
瞬間接着剤や速乾の接着剤のようにすぐにくっつくものなのか、時間をかけてくっつくものなのか説明をよく読んでください。接着剤とは違いますが、ものとものを接着するものの中には、
・固形の芯を熱で溶かして塗り冷めると固まるホットメルト接着剤(グルーガン)
・紙・写真や布などの軽いものを貼り付けるスプレーのり
など様々あります。
接着剤の使い方
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接着面にまんべんなく塗る
接着剤を塗る前に表面の汚れやホコリを取り綺麗にしておきましょう。
液状の接着剤をただ垂らしてくっつけただけではその効果を十分に発揮できません。接着面全体に均等に伸ばし、表面が「濡れる」ようにして馴染ませることが大事です。
塗った際にそもそも接着剤をはじいてしまうものでは、くっつけることはできても強度は期待でません。 -
接着剤が固まるまで動かさない
接着剤の効果が発揮されるのは、馴染んだ状態で充分に硬化したとき。
固まっていなければすぐに取れてしまいます。完全硬化するまで固定しておくとベストです。
また、2つの物をはり合わせて手で軽く触っても取れないからといってすぐに使い始めてはいけません。完全硬化しないまま使用すると外れやすくなる原因になりますので、24時間以上時間を空けてから使用しましょう。
種類によって固まる時間や過程は違うので良く説明を読んで使用してください。