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ステイン塗料の塗り方 – 木を染めて木目を引き立てる

ステイン塗料の役割とは

ステインとは染料という意味の言葉です。
DIYではステインは、木材に塗ることで木の繊維を染めて、元からそのような色だったかのような木に見せてくれるような塗料です。
木目を活かし、木の質感もそのまま楽しみたいという時に使用する際にぴったりです。
ニスやワックスなどがぬられている木には使用できませんので、元の塗料を剥がしてから塗装する必要があります。

準備するもの

  • オイルステイン

    • 水性ステイン/ウッドダイ
    • オイルステイン(油性)
    • オイルフィニッシュ
  • ウエス

    • ウエス
  • マスキングテープ

    • マスキングテープ
  • マスカー

    • マスカー
  • 紙やすりセット

    • 紙やすり

塗り方の手順

準備〜下地調整〜

  • 1.木の表面を整える

    ステイン系塗料を塗る前には、下地調整として木材の表面のやすりがけをしておくようにします。
    木目方向に真っ直ぐやすりがけを行うことで木の表面に元からある凹凸やキズ、汚れが取れます。
    木材には#300くらいまでの紙やすりを使用して、表面に凹凸がなくなるまで整えます。
    キズや製材跡が深い場合は始めに使用するやすりの番手を#80などの粗いのもから初めて徐々に細かい番手に変えていってください。

  • ステイン系の塗料は、木の繊維に浸透して染まることで色がつきます。木の柔らかい部分には多く染込み色が濃くなり、硬い部分には染込みづらく色が薄くなるため、木目が浮き出るように見えます。

    やすりがけをしないまま塗ることも可能ですが、木の表面に小さなキズや毛羽立ちがあったりすると、その部分はステイン塗料が染み込みやすくなっているため、色むらができてしまうことが多々あります。
    それを防ぐためにも初めにやすりがけをしておくことをおすすめします。

  • 木の粉を拭き取る

    やすりがけをすると、細かい木の粉が発生します。
    この粉がステインと混ざってしまうと仕上がりが悪くなってしまうため、塗装前に乾いた布もしくは水を固く絞った布で表面をきれいに拭き取っておいてください。
    このときに水分を多く含んだ布で拭いてしまうと、木の粉は取れますが木の繊維の方が水分を含んで膨らみ毛羽立ちができてしまいますので注意してください。

準備〜塗装の前に〜

  • 2.ステイン塗料を準備する

    ステイン塗料には、水性・油性や、保護機能のあるオイルフィニッシュなどがあります。
    商品によって用途や機能が少しずつ違っているため説明を読んで選んでください。

    また、メーカーごとに豊富なカラー展開があります。色サンプルを参考にして好みの色を選びましょう。
    ただし、塗る対象の木の元の色によってステインの発色の仕方が全く違ってきますので注意が必要です。

  • 3.養生する

    作業台や周辺の塗料が付いてはいけない場所を、マスカーやマスキングテープで覆っておきましょう。

    また手で持って作業することが多いため、手に塗料がつかないように塗装用手袋をしておくことをお勧めします。

塗り方

  • 4.ハケにステインをつける

    ステイン塗料は使用する前に容器を良く振っておくようにします。

    塗料カップにステインを入れたら、ハケにステインを良く含ませます。
    ステインは水のようにサラサラしているため、垂れてしまわない程度にカップの縁でしごいておきましょう。

  • 5.木目に沿って塗る

    ステイン塗料は表面に膜を張らず、乾くのも少し時間がかかるため、塗るのはとても簡単です。

    木目方向にサーッと撫でるようにして塗り、塗料の溜まりができないよう全体に満遍なく広げます。
    この塗料が乾く前に何度も塗り重ねても色が濃くなることはありません。表面にただ塗料が溜まってる状態になってしまうだけです。

  • 6.余分な塗料を拭き取る

    色が全体に行き渡ったら、乾いたウエスで表面に残った塗料を拭き取ります。そうすることで木目がくっきりと浮き出てきます。
    塗ってから少し時間をあけて拭き取ると少しだけ色が濃くなりますが、木目がぼやけてしまいます。

  • 色を濃くしたい時は

    1度塗りでは色が薄く感じる時は、乾燥させてからステインを重ね塗りします。
    ただし、木材に浸透するステインの量はそれほど変わらないため、とても色が濃くなるということはありませんが、繰り返すと段々と色は濃くなっていきます。

    使用する塗料によっては、乾燥させることで浸透した塗料が内部で固まって重ねて塗った塗料が染み込まないということもあります。
    確実に色を濃くしたい場合は、元の色より濃いステインを使用したり、塗装用ワックスを重ね塗りするのも1つの手段です。

  • 色を薄くしたい時は

    ステイン塗料を薄めてから塗ることで色も薄することができます。使用前にいらない木材で試し塗りをしてから、色を調整すると良いでしょう。

    塗った後に色を薄くしたい時は、ステイン塗料が浸透している部分を紙やすりで削り落としてから塗り直すしかありません。

  • 7.乾燥させる

    乾燥させるときは、直射日光を避けて自然乾燥させましょう。乾燥時間は水性、油性や製品によって変わりますので、説明を良く読んでください。

塗装面を確認

  • 乾燥の前と後を比較

    水性のステイン塗料を塗った直後、拭取り後、乾燥後の表面を比較してみました。

    拭取り前は塗料が表面に残り色が濃く見えますが、拭き取ると木が染まっている状態の色味が見えてきます。この時に表面や木自体の状態によって色むらが見えてきます。その後乾燥させると、色はより薄くなります。
    乾燥の前と後での色の濃さの違いについては、水性よりも油性のステインを使用すると差が少ないかもしれませんので、仕上がりまでの参考にしてください。

  • 木の断面(木口)に塗装した場合

    木材の断面(木口)は、例えるならロープの切り口のようなもので、そこに塗料を塗るととてもよく吸い込みます。
    ステイン塗料を塗った場合は、木口からじわじわと塗料が染み込んでいっているのが見えます。1~3mm程度の範囲ですが、木材の表面(木端)を塗った時に、その染み込んでいる部分だけ色が濃くなってしまいます。
    また、木目もわからないほど色が濃くなり木端と色が合わなくなってしまいます。

    木口には少量でササッと塗装するようにして、色を合わせるようにするのがポイントです。

塗り方のポイント

一部にステイン塗料が付いてしまった場合

  • すでについてしまったステインは薄くなるのか?

    塗装していると知らず知らずのうちに、材料の一部に塗料が飛び散ってしまっていることがあるかもしれません。
    木材の一部にステインが付いて完全に乾燥したシミはどうなるのかをみていきます。

  • シミの上から塗装してみる

    シミの上に同じステイン塗料を塗ってみました。

    一度乾燥したステインは、上から塗ったステインの水分でぼやけるということはありませんでした。上から塗ったステインを拭き取るとくっきりとシミがわかります。

拭取りの有無の違いは

  • 水性ステインを塗った後、そのまま拭き取らずに乾燥させてみた場合(左)と、拭き取った後乾燥した場合(右)を比較してみました。

    拭き取らずに乾燥した方は、色が濃く重厚感があるものの木目との境がわからないような仕上がりになりました。
    拭き取った後乾燥した方は、木目がくっきりしていてメリハリのある色合いですが、色むらが多少残っている仕上がりです。
    色の見せ方を好みに合わせて使い分けてみるのも良いでしょう。

  • シミになっていた部分はというと、上から塗装して拭き取らずに乾燥させてみましたが、やはりシミの型はくっきりと残る結果でした。

    ステインでできたシミは想像しているよりも深くまで浸透していません。
    シミになってしまった部分はやすりで削って、周り全体も平らになるようにやすりがけを行い、まっさらな状態にしてから塗装をすれば美しく仕上げることができます。

集成材、合板に着色してしてみたところ

  • それぞれ特徴のある木材を用意

    上記では2×4材(無垢材)に塗装を行なっていましたが、集成材と針葉樹合板にステイン塗料を塗ってみるとどうなるかをみていきます。

  • 集成材に水性ステインを塗る

    集成材は無垢材のかけらをはぎ合わせて作った板のため、無垢材とは違い、塗った後の木目が場所ごとに違って見えることと、継ぎ目のギザギザの部分が少し目立つのが気になります。

    また、ステインは浸透させて着色する塗料のため、木の場所によって色の染まり方が違ってきます。そのため、1枚の板の中で色の濃淡や色むらが出て、ブロックを組み合わせたようにも見えてしまいます。その雰囲気を楽しむのも良いですね。

    集成材は表面も他の木材と比較するときれいですが、塗装前に下地調整としてやすりがけをして表面を整え、できるだけツルっとした状態を作った方が良いでしょう。

  • 針葉樹合板に水性ステインを塗る

    合板の表面は無垢材と似ていますが、針葉樹合板の方が木目の幅は少し大きくよく見える仕上がりになりました。

    また、今回使用した針葉樹合板は表面が粗くなっていましたが、1層1層が薄い単板のためやすりがけで整えられる範囲も限られていて、キズや凹凸が残っている部分が色が濃くなりました。
    仕上がりとしては木目はきれいですが、キズも多少目立つというかたちで、雰囲気を感じる仕上がりを楽しむのに向いています。

  • 薄い合板の場合

    薄い合板にもステインを塗ってみました。

    ステイン塗料は水分が多く木が湿った状態になるため、乾燥すると反ってしまうということがあります。
    特に薄い板や、無垢材は反りやすいため対策が必要です。

    反りを抑える一番簡単な方法は、片面だけを塗装するのではなく、全面塗装することです。
    塗装することによって沿ってしまった木材に反り止めの金具を取り付ける方法や、組み立てる際に真っ直ぐな部分に固定する方法などもあります。

ステインとワックスの組み合わせ

  • 2つの塗料を重ね塗りする

    ステインで塗装した木材の表面は素材そのままのような状態で、元からこんな木の色だったみたいな素朴さがあります。
    そのため、色に深みを出したい時は、先にステインを塗った上からワックスを塗るのがオススメです!

    ステイン塗料は木の内側に浸透し着色する塗料なので、表面を保護する効果はありません。
    上からワックスを塗ることで保護と、ツヤ出しの効果を付加できるので2種類の塗料を合わせて使うのも、2倍手間はかかりますがより良いですよ。

こんなものを塗る時にぴったり

塗装対象の場所・もの

  • 木製品全般

    なんの塗装もしていない木材であればどこにでも塗ることができます。
    DIYでよく使用する1×4や2×4、杉材、パイン集成材など、塗装しないで使用するととてもナチュラルな雰囲気が出ますが、高級木材のような色味にしたかったり、部屋に置いてあるインテリアと色が合わなかったりする時には、ステインで染めてしまえばイメージがガラッと変わりますよ。

  • テーブルやイス

    ステインは木材の広い面を塗るのもとても簡単で、テーブルなどの板材を塗装するのにおすすめです。

    ただし、ステインで仕上げたそのままでは水濡れや擦れで色移りする可能性もあるため、テーブルやイスとして使用する場合は上からニスなどでコーティングする必要があります。