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塗装道具の使い分けと仕上がりの比較

塗装道具とは

塗装道具には、刷毛(ハケ)やローラーなど様々な種類があります。
塗料を対象物に塗布するという点では同じですが、塗る面積や仕上がり、凹凸の有無によって適している道具が分かれます。
塗装したいものによってそれぞれ適した道具を使うことで、作業性や仕上がりが良くなります。
どんな道具があるかを知っておくと作業のクオリティが上がりますよ!

塗装道具の種類

  • 刷毛_水性用

    • 刷毛(ハケ)
  • 塗装用ローラー

    • ローラー
  • コテ刷毛

    • コテ刷毛
  • スプレー

    • スプレー
    • エアー吹き付け
  • スポンジ刷毛

    • スポンジ刷毛
    • ベンダー
    • ステンシルブラシ
    • ステンシル用スポンジ

塗装道具の選び方

用途に合わせて選ぼう

  • 塗装したいものに合わせて道具を使い分けるのがベストです。

小物の塗装
筆、刷毛、スプレー
板材の塗装
コテ刷毛、ローラー
壁の塗装
ローラー、刷毛(隅など細かい部分)
ウッドデッキの塗装
コテ刷毛、ベンダー(隙間を塗るのに便利)
ステンシル
ステンシルブラシ、スポンジ刷毛
凸凹のあるものの塗装
スプレー、刷毛、筆
プラモデルの塗装
スプレー、筆
円筒状の塗装
スプレー(缶など)、刷毛(木の丸棒など)
木材への塗装
刷毛、コテ刷毛、ローラー、スポンジ刷毛
金属やアクリル板への塗装
スプレー

特徴とメリットとデメリット

一覧

  • 刷毛(ハケ)

  • ローラー

  • コテ刷毛

  • スプレー

  • スポンジ刷毛

  • ベンダー

  • ステンシルブラシ

刷毛(ハケ)

DIYでもっとも多く使われるのが刷毛です。
様々な木材、プラスチック、金属などを塗装するのに使用します。
箱状のような組み立てられたものの角の細かいところも塗りやすく、刷毛があればおおよそのものを塗ることができます。
一度に多くの塗料を刷毛につけて塗ると、塗膜の厚いところと薄いところができてムラになってしまうため、何度も塗料を付け直しながら作業をする必要があります。
塗り方は塗料をスーッと薄く伸ばして塗ったり、トントンと叩くようにして塗料に凹凸をつけるようにして塗ったりと、様々です。
多用途用、水性用、油性用、ニス用など、塗料の種類にによって、使用する刷毛も分かれています。

ローラー

持ち手の先にロール状のふわふわした毛や、スポンジを取り付けて使用します。
広く平らな面を塗るのに適しています。
細かいところや角は塗り残しができやすいため、刷毛と併用することが多いです。
毛の長さは短いものから長いものまで種類があり、毛が長い方が凹凸のある壁などを塗るのに適しています。
刷毛と違ってローラーの塗装面は、転がった跡にできるポツポツとした小さな凹凸(ローラーマーク)があるのが特徴で、ツルンとした仕上がりにしたい場合や、ニスの塗装には向きません。
ただしスポンジローラーは、ローラーマークができにくいため、黒板塗料を塗る時などには良いでしょう。

コテ刷毛

薄く幅の広い四角形のスポンジの表面をふわふわの毛で覆ったものを、柄に取り付けて使用します。
スポンジに多くの塗料を含ませることができるので、一塗りで途切れずに広い範囲を塗ることができます。
平らで長物の素材を塗るのに適しています。
刷毛跡が残りにくく、仕上がりもきれいです。ステイン塗料を塗る時にも良いです。

スプレー

缶に入った塗料を霧状に噴射し、塗装します。
小さく細かいものの細部まで満遍なく塗ることが可能です。
缶のまま使用するので他の道具が不要で、手軽で早く塗装することができます。
1度塗りでは塗膜が薄付きなため、乾燥させながら重ね塗りすることが必須です。
また、霧状の塗料は広範囲に飛び散ってしまいますので、周囲が汚れないようにしっかり養生をして作業しましょう。

スポンジ刷毛

木の柄にスポンジを取り付けた道具です。
ステイン塗料のように水分が多く垂れやすい塗料でもしっかり含んだ状態で塗装ができます。
刷毛目が出にくくフラットな仕上がりになりますが、スポンジは柔らかいため、力を入れすぎるとスポンジが押し付けられて塗料がうまく塗れなくなりますので、一定の力でスーッとなでるように塗るのがポイントです。
他にも、スポンジの表面の小さい凹凸を活かして、ポンポンと押し付けるようにして塗ることで、エイジングの風合いを出した塗り方をしたいときにも活躍します。

ベンダー

薄い金属板の柄の片面、もしくは両面にふわふわの毛を貼り付けた塗装道具です。
普段はあまり使われない道具ですが、ウッドデッキの木と木の隙間や、ラィスの隙間など、狭くて刷毛やローラーの届かない部分を塗るときに使用します。

塗料を塗り広げるというよりも、細かい線や絵を描くときに使用します。
小さいものや、細工のあるところで、刷毛では塗りきれないところを塗るために用意しておくと便利です。

ステンシルブラシ

名前の通りステンシルの塗装に特化した形の刷毛です。
毛を束ねたタイプと、スポンジのタイプのものがあり、どちらも先端は丸く平坦な面になっています。
ステンシルシートの上から、面を真っ直ぐ当てるようにトントンと塗料を乗せて塗装します。

塗装道具の豆知識

刷毛とローラーの仕上がりの違い

  • それぞれで板を塗装してみる

    刷毛とローラーを使用して、板材に同じ塗料を半々に塗ってみます。

  • ローラーで塗膜が同じ厚みになるように2度塗り、刷毛でも板の色が透けないように2度塗りします。

  • 塗装後の状態を比べてみたところ

    塗装が完了したところを、乾燥前と乾燥後で比べてみました。

    ローラーで塗装した方(左)は、少し凸凹としていて乾燥前の方を見ると気泡ができているのがわかります。
    刷毛で塗装した方(右)は、ハケが通った筋が見えます。

    それぞれ乾燥させると、乾燥後の方が凹凸が目立たなくなりました。
    比較のため、上からチョークで文字を書いてみたところ表面の仕上がりの違いがわかりやすく浮き出ているのがわかります。

    もし、黒板塗料を塗装するのであればハケで塗った方が、チョークで描くときに美しく見えそうです。

その他の塗り方紹介

  • エイジング塗装、アイアン風塗装

    エイジング塗装とは、アンティークや使い込まれたジャンク品のように見せるために、下塗りの上から汚れを演出する方法です。
    黒や茶色で汚れや錆(さび)風に、灰色で埃をかぶった風を意識しながら、ベタ塗りにならないように、角や端っこにポンポンと乗せるようにして色を置いていきます。

    この時、家にある食器洗い用スポンジを使ってもOK!
    決まった道具がなくても味のある仕上がりになります。

  • 他にも、アイアン風塗料や、コンクリート風の塗料もぽんぽんとムラになるように、凹凸ができるように塗っていくと、塗装でも本物の素材感に近づきます。

ワックスを塗る

  • 固形のワックスに刷毛は×

    ワックスは蜜蝋が主成分のため、柔らかいですが固まった状態になっています。

    木材にワックスを塗る時は、ウエス(布・紙)やスチールウールを使用してください。
    ウエスに少量取り、塗り込むようにして全体に広げていきます。

  • 表面全体をコーティングするように色がつきますので、最後はスチールウールで軽く磨いていきます。
    そうすることで、余分なワックスが落ち、ロウが均されて艶々とした仕上がりになります。

    スチールウールがなくても、最後に乾いた布で磨いても同じように艶っとした仕上がりになりますよ。

まとめ

  • 塗装は筆や刷毛で、というのが馴染みが深いかもしれませんが、是非その時々に合わせた道具を使ってみてはいかがでしょうか?
    こんなに便利だったのか、と発見がありますよ!