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集成材とは、特徴と用途について

集成材について

集成材(しゅうせいざい)とは、小さく切った木材を接着剤で貼り合せて1枚の板にした材料のことです。
1つの木から切り出した無垢材では製材しづらい大きな板など、自由な形状の部材を作り出すことができるのが集成材です。
DIYでもテーブルの製作などで使用する機会の多いなじみのある材料です。

集成材とは?

集成材の基礎知識

  • 集成材は、挽き板と呼ばれる小さく切り分けた木片を接着剤で貼り合せて作られた、強度と品質の安定した木材です。

    無垢材の状態ではなかなか切り出せないような、太く長い柱や、大きな幅の板を使用したい、という要望から作られたのが集成材と言われています。

集成材の特徴

  • 挽き板とは

    挽き板は「ひきいた」と読み、ノコギリで挽いて切り出した木の板のことを指します。厚みが10〜20mmほどのものの分厚すぎない木片です。

    集成材には、幅が30~50mm程度で、大きな節や割れなど木の欠点を取り除いた部分を使用されます。

  • 強度について

    木材の強度は乾燥の度合いに大きく左右されます。

    切り出されたばかりの木は水分を多く含んでおり、木材として利用するためには十分乾燥させる必要があります。乾燥が不十分だと、強度が低くなりますし、割れや反りが発生することが多くなるため、狂いが生じてしまいます。

    集成材の特徴としてあげられるのが
    ・一定の強度が維持されていて
    ・割れや反り、ゆがみなどの狂いが少なく扱いやすい
    です。
    なぜかというと、集成材を構成している挽き板の段階で、含水量が15%以下になるように強制乾燥させているため、製品になった時に個体差が少なく一定の品質が保たれているのです。

メリットとデメリット

  • メリット

    ・板材や角材のように自由な形状、大きさの材料がある
    ・品質が一定
    ・材料となる木は含水率15%以下と決まっている
    ・反り、割れなどの狂いがほとんどない
    ・無垢材と比べて安価で手に入りやすい
    ・無垢材ではとりにくい大型の板材も作れる

  • デメリット

    ・1枚板のような味わいを感じにくい
    ・ステインやワックスで着色した時に色むらができやすい
    ・接着剤が経年劣化することがある
    ・湿気に弱く、継ぎ目から剥離することがある
    ・接着剤にホルムアルデヒドが含まれており、シックハウス症候群になる可能性がある

集成材の種類

  • 集成材は挽き板(ひきいた)や小角材を、同じ繊維方向になるよう平行に並べて接着した加工された材料です。
    ベニヤ合板のように層にして張り合わせるのではなく、縦継ぎ、幅継ぎをして作られています。

    集成材の継ぎ方には大きく分けると3種類に分けられます。

継ぎ合わせ方法

  • 表フィンガージョイント

    挽き板の1つ1つが幅の狭い長方形になっていて、短尺の部分同士を縦方向に向かって継いで長さを出していきます。
    そうしてできた材を今度は横継ぎして任意の幅の材料を作ります。

    両手の指を組み合わせたようなギザギザの継ぎ手が表面に見えるのが表フィンガージョイントの特徴です。
    明らかに加工材とわかるため、無垢材と比べると美観は劣ります。

  • 表バットジョイント

    木材がモザイク状に貼り合わせてできた板に見えるのが表バットジョイントです。

    表フィンガージョイントと同じ作りではありますが、ギザギザの継ぎ手が表面に見えないようになっているのが特徴です。
    側面から見るとフィンガージョイントが見えます。

  • 横はぎ・幅はぎ

    上記2つとは違い、縦方向に長さを出すための継ぎはなく、横の幅方向にのみ板を継いで作られた板のことを横はぎ材、または幅はぎ材と呼びます。

    小さく細切れになった板を継ぎ合わせたものと違い、幅が狭くても横にだけ継いで作られた材料だと、木目がある程度揃っていたりして無垢の一枚板に近いイメージの板材を作ることが可能です。

木目の種類

  • 集成材に使用される挽き板は、どんなものを使用するかで板の雰囲気が変わってきます。

    ・柾目ばかりを集めた、柾目風の板材
    ・板目と柾目の混ざった板材
    ・節あり
    ・節なし(無節)

    ほとんどが板目と柾目の混ざってできている集成材ですが、見た目をこだわりたい時には柾目風や節なしを使用すると良いでしょう。

集成材の取り扱い注意点

  • 使用場所の注意点

    集成材を使用する場所には注意が必要です。
    無垢材と違って、集成材は挽き板を接着剤で貼り合わせて作られている木材のため、長年使用していると接着剤が経年劣化して継ぎ目が割れてくることがあります。特に直射日光が当たる場所だと劣化が早くなります。
    また、屋外の雨風にさらされるような場所や湿気の多い場所では、水分を吸収して木材が膨らみ、そして乾燥して縮んでを繰り返すことで、挽き板1片1辺が反ったり、割れが生じたりすることがあります。
    木材全般にも言えることではありますが、水がよくかかる場所での使用には向いていません。

    室内でのカウンターのトップや、棚やテーブルの天板として利用するのがおすすめです。

  • 施工時の注意点

    無垢材と同じく、集成材にも木口と木端ができます。
    集成材を木目と垂直の方向に切断した面(木口)は他の面に比べると水分を多く吸い込みます。そのため切りっぱなしの状態だと水分の吸収と乾燥がしやすくなり、木材内部の含水率が変化してゆがみや狂い、割れが生じることがあります。

    無垢材と同じく、集成材を使用するときは、塗装して使用することで美しい状態を保ちやすくなります。