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ベニヤ板、合板、コンパネの違いと種類

ベニヤとは

よくベニヤ板とか合板などと呼んで使用しているミルフィーユ状の板材ですが、それらに種類があると言うことはご存知でしょうか?それらの種類を知ってDIYの場面でも活用してみてください。

ベニヤ合板の基礎知識

よく聞くベニヤ板とは?

  • ベニヤと合板の意味

    ホームセンターの木材売り場で、大量に積まれた大きな板を目にしたことがあると思います。
    この板のことを「ベニヤ板」と呼んでいるのをよく耳にしますが、実はそれは和製英語で本来の名称ではありません。

    ベニヤとは英語で「veneer」と書かれ、その意味は「薄い板」のことを指します。
    なのでベニヤ板と言うと薄い板になってしまいますので、木材売り場にある板とは違ってきます。

    では木材売り場にある板材はなにかというと、それは「合板」と呼ばれるものです。
    合板とは、薄い板を重ねて厚みのある板のことを指します。

  • 合板には厚みが様々ある

    丸太から薄く板を切り出したベニヤ板を何枚も重ね合わせて作った板なので「ベニヤ合板」と言うのが正しい名称です。
    重ねた枚数によって厚みにも種類があります。2.3mm〜30mmほどまでの厚みの板が販売されています。
    一般的なサイズが910x1820mmと、大きな板状の材料なのが特徴です。

    1本の木から切り出して作る無垢材と比べると、ベニヤ合板は安定して製造できるため安価で手に入れやすいです。
    また、環境により伸縮しやすい無垢材とくらべ、合板は一定の含水率まで乾燥させた材料を積層し製造するため伸縮があまりなく状態が安定しているのがメリットです。

ベニヤ合板の製造方法

  • ベニヤはかつらむきされた木の板

    先ほども説明したようにベニヤとは薄い板のことで、丸太を薄くかつらむきにして作られています。
    丸太を切り出して作る挽き板よりも、かつらむきにすることで広い面積の板に加工することが可能になります。

    0.6~3mmの厚さにかつらむきした板のことを「単板」と呼びます。
    それよりも薄い0.2mm程度の厚さにかつらむきしたシート状のものは「突板(つきいた)」と呼ばれます。

    ベニヤは様々な樹種で作られています。
    天然銘木で作られたベニヤは、住宅の内装や家具、フローリングの表面を美しく見せるために基材に貼り付けて使用されます。
    そうすることで基材はなんであれ表面は高級な銘木のように見えるのです。

  • 合板とはベニヤを重ねたもの

    単板(ベニヤ)を重ねて接着剤で貼り合わせて作った板が「合板(ごうはん)」です。
    横から見るとミルフィーユのような層になっているが特徴です。

    厚みはベニヤの重ねる枚数によって変えられるため、薄い板から分厚い板まで様々な厚みの材料を作ることが可能です。
    中でも9mm、12mmのベニヤ合板は建材としてよく使用されています。

    ベニヤ合板の製造方法は、ただベニヤを重ねるのではなく、木の繊維方向を交互に縦→横→縦と1枚ずつ直交するように重ね合わせ接着剤を使い圧着して製造されます。
    そうすることで木材にかかるあらゆる方向性からの負荷に対して、高い耐久性が得られるようになっています。

    ただし木口部分にネジや釘を打つのには向いていません。
    薄い板と板の間に釘などが入り込んだ際に接着剤が剥がれて板が裂けるようになってしまうことがあります。

  • 木目の特徴

    ベニヤは丸太をかつらむきにしているため、無垢材の木目の見た目とは少し違って見えます。
    少し伸ばしたような木目になり、丸太を一周したところでまた似た木目が現れます。
    画像のような針葉樹合板だとその木目の繰り返しがわかりやすく見られます。

合板の用途別分類

ベニヤ、コンパネ、合板は結局何が違う?

  • ここまでの説明でベニヤと合板は違うものだということを知っていただけたと思います。
    合板というのは、薄い板を積層して作った板の総称です。

    では、耳にする機会の多い「コンパネ」はベニヤでも合板でもないのかというとそうではありません。
    コンパネも合板の一種で、使用する用途が決まっているためそう呼ばれているだけなんです。

    以下に、合板の種類について説明していきます。

  • コンパネ

    • コンクリート型枠用
  • 構造用合板

    • 建築に使用される合板
  • 普通合板

    • 特定の用途のない合板
  • 化粧合板

    • 美観を目的に、表面に化粧単板を貼った合板
  • コンパネ

    コンパネとは、コンクリートパネルの略称です。
    住宅基礎工事の際に、コンクリートを流し込むための型枠として使用される合板です。
    ベニヤ板を5枚重ねにし、防水ため黄色のウレタン塗装を施されています。
    その他の合板のサイズは基本1820x910mmですが、コンパネは1800x900mmの厚さが12mmというのが基本です。

  • 構造用合板

    構造用合板とは、住宅の壁、床、屋根の下地などに使用される合板です。
    JAS(日本農林規格)により規格が定められており、認定品にはスタンプが押印されています。

    建材として構造上重要な部位に使用されるため、
    ・ホルムアルデヒドの放散量
    ・接着剤の性能
    ・表面材の品質
    ・強度
    の規格をクリアしている物のみが構造用合板になります。

  • 普通合板

    普通合板とは、上記の2種以外の合板で、特定の用途が指定されていない合板のことです。

  • 化粧合板

    化粧合板とは、表面に美しい見た目のベニヤを貼り付けた合板のこと。
    美観を目的としており、表面に天然銘木のベニヤや木目模様をプリントしたものを貼り付けています。
    住宅の内装や家具、フローリングに用いられています。

合板の接着性能別分類

JAS(日本農林規格)認定の合板とは

  • 合板の種類は用途により分けられますが、それ以外には等級で分けることもできます。

    合板にはJAS(日本農林規格)が定めた品質基準があり、合板に使用されている接着剤の種類と強度で、「特類」「1類」「2類」「3類」の4種類の等級に分けられます。
    等級ごとに使用場所が異なりますので、必要な強度で使い分けると良いでしょう。

  • 【特類】
    <フェノール樹脂接着剤>
    屋外、常に湿潤状態となる場所で使用。
    最も耐水性、耐熱性に優れている。

    【1類】
    <メラミン樹脂接着剤>
    断続的に湿潤状態となる場所で使用。コンクリート型枠用合板も。
    特類よりは劣るが耐水性、耐熱性、耐老化性に優れている。

    【2類】
    <ユリア樹脂接着剤>
    時々湿潤状態となる場所で使用。
    耐水性はあまり高くないが安価に手に入る。
    安価に安定供給される尿素(ユリア)が原料となっている。

    【3類】
    <増量ユリア樹脂接着剤、カゼイングルー>
    その他接着剤の登場により、現在では使用されなくなった。

  • スタンプの内容を見ると、その他の情報も載っています。
    簡単に説明していきます。

    【F(エフフォースター)】
    接着剤に含まれているホルムアルデヒドの発散等級を表したもの。
    ☆が多くなるほど放散量が少なくなり、体にやさしい。

    【板面の品質】
    A-B-C-Dの組み合わせで表記され、一番品質が良いものをAとしている。
    A-BやC-Dと表記され、表面-裏面となる。

合板の種類

樹種・加工で選ぶ

  • ラワン合板

    表裏にラワンのベニヤを貼り付けた合板。
    ラワンはフタバガキ科の広葉樹。赤っぽい色味ではっきりとした木目はありません。
    木肌は、表面が少しザラザラとしていて目が荒いです。やすりをかけても少し毛羽立つため、目を埋めるためにとの粉を使用すると表面がきれいに仕上がります。
    木質は、ある程度硬度があり、加工も簡単です。

  • 針葉樹合板

    表裏に針葉樹のベニヤを貼り付けた合板。
    針葉樹は成長の早い木材で、柔らかく軽い素材です。木目ははっきりとしています。
    構造用合板としてよく使用されている合板です。

  • シナ合板

    表裏にシナのベニヤを貼り付けた合板。
    シナノキ科の広葉樹。淡い黄白色ではっきりとしや木目はありません。
    木肌は、緻密で表面がきれいです。少しやすりをかけるだけでサラッとした仕上がりになります。
    木質は均質で、柔らかく軽い素材です。

  • 有孔合板

    薄い合板に等間隔の孔(あな)があけられているもの。
    有孔ボード、パンチングボードなどとも呼ばれています。
    壁や天井の材料として使用することで吸音効果を発揮します。

    収納用のインテリアとしても人気のある素材で、穴に専用のフックなどを差し込んで物をぶら下げたり、棚を取り付けたりして使用されています。
    表面に化粧単板を使用しているものもあり、色や木目の種類が様々販売されています。

合板の構成で選ぶ

  • ランバーコア合板

    ランバーコアとは、挽板(ランバー)を芯(コア)にした合板のこと。
    ファルカタなどの軽い木の角材を並べて板状にした芯材の表面に、シナや檜などの見た目のきれいなベニヤや樹脂板を貼り付けて仕上げた合板です。
    内側に集成材を挟んでいるようなイメージです。
    ベニヤを積層して仕上げた合板とは違い、側面の木口部分にネジや釘を打つことができます。
    棚板やテーブルの天板などに使用されます。

  • ボードコア合板

    ボードコア合板とは、木材の細片やチップを固めて作ったパーティクルボードや、木材を繊維化して合成樹脂で固めたMDFを芯材にした合板のこと。
    家具の材料としてよく使用されている。

  • 軽量合板

    軽量合板とは、ペーパーハニカムコアを芯材にした合板。
    反りや歪みなどが生じにくく、軽量化できる。
    量販店の家具の天板、側板、棚板などの材料としてよく使われる。

  • OSB合板

    OSB合板とはOriented Strand Bordの略称で、薄く削った木のチップを平行に重ねて積層し接着剤を使って高温圧縮した合板です。
    建築方法の一種である2×4工法の壁に使用されています。
    他の合板とは違い1枚でできたベニヤを積層するのではないため、表面はチップが組み合わさった独特な模様が面白い素材です。
    水分を含むと膨張し劣化してしまうため、水回りでの使用は控えた方が良いです。

合板、コンパネ、DIYに向いているのはどれ

断面から見てみたところ

  • 合板には種類がたくさんあり、厚みの種類も多数あり大きな板材としては手に入れやすい素材であることがわかりました。
    その点を活かして、大きな家具を作る時、歪みの少ない材料が必要なときにはベニヤ合板やランバーコア合板を使用すると良いでしょう。

    木目の美しさや個性を活かした仕上がりを目指すなら無垢材がベスト。
    無垢材ではサイズがどうしても合わせられないよいう時は、集成材を使うと無垢材のよさを得ることができます。
    よく目に入る部分は無垢材や集成材を、裏側は合板を使用するという使い分けをするのも良いですね。

    それぞれの木材の特徴を生かして、是非DIYしてみてください!