はさみ以外の布の裁断の道具として、ロータリーカッターは多々使用されています。丸い円盤状の刃を押して転がすだけで直線・曲線どちらもスムーズに裁断することができます。
ロータリーカッターの種類と選び方
ロータリーカッターとは
ロータリーカッターの基礎知識
ロータリーカッター
- スタンダードな形状
セーフティーロータリーカッター
- 安全な設計
- グリップを握ると刃が出る
ロータリーコンパスカッター
- 円を切り抜くのに特化
ロータリーカッターの種類
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サイズ
ロータリーカッターには刃のサイズ、形状など種類があります。
刃の径が小さいものは小回りがききカーブが切りやすく、径の大きいものは直線を切るときや厚手の生地を切るときに力が入れやすいのが特徴です。洋裁に使用するのに1本もっておくとすると、奥から2番目のサイズの28mmのロータリーカッターが直線も曲線も裁断できるのでおすすめです!
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刃の形状
刃は丸い形だけではなく、事務作業で使えるミシン目が入るタイプ、デザイン性の高いウェーブが切れるタイプ、布のほつれを防ぐためのピンキング刃があります。
ロータリーカッターの特徴
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メリット
布地の裁断で使用するメイン道具に裁ちばさみがありますが、どちらもメリット・デメリットがあります。
ロータリーカッターは型紙があるものなら、ズレなく裁断できたり、作業が簡単にできるため早く裁断できたりと、好んで使用される方が多い道具でもあります。
また布を重ねて切る時、特にすべりやすい布地を重ねて切る時には、ハサミだと持ち上げて切らないといけないのに対し、置いたまま切れるためにズレにくいというメリットがあります。
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デメリット
その反面、細かいカーブを裁断するには裁ちばさみを使用したほうが作業しやすいと感じることも多いかもしれません。
また刃は消耗品のため、切れ味が悪くなったらすぐに交換しないといけないため多少の使用コストがかかります。
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その他の必要な道具
ロータリーカッターを使用する際には、カッターマットを下に敷くようにしてください。
カッターマットを敷かずに作業すると刃がすぐに悪くなってしまい切れ味が落ちてしまいます。
ロータリーカッターの使い方
フリーハンドで切る
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型紙や模様に合わせて
ローラーカッターの持ち方は、鉛筆の持ち方に少し似ています。
人差し指で軽く力を込められるようにすると作業がしやすいでしょう。フリーハンドで裁断していきます。
型紙がある場合は、布の上に型紙を置いてその形にピッタリ沿わせることが簡単にできます。
ゆったりとしたカーブもローラーカッターで綺麗に切れます。 -
柄の一部を切り抜くことも簡単です。急なカーブが多い場合は刃の小さいローラーカッターを使うなど使い分けてください。
複雑な形であれば裁ちばさみの方が切りやすい場合もあります。
直線を切る
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定規を使って
きっちりとした直線を切るときには、定規を使用するようにしましょう。
定規は少し厚手のものがおすすめです。
定規に沿わせてスーッと引けばOK。製図に使用する定規を使う方は、刃が当たって定規がボロボロになってしまいまっすぐな線が引けなくなることがあるため、できれば使い分ける方が良いでしょう。
または、定規の端に薄い金属プレートが貼ってあるカッター定規というものを活用するのも良いです。
曲線を切る
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曲線の裁断は小回りがきくものを
ロータリーカッターの刃の径が小さいものの方が、小回りがきいて曲線は裁断しやすいです。
曲線を切るときは早く動かそうとせず、確実に切りたいラインをなぞるようにしていけばきちんと切れます。 -
円を切り抜く
くるみボタンを作ったりする場合に布を円を切り抜くこともあると思います。
そのときは径の小さいロータリーカッターでももちろん裁断できますが、コンパス状のカッターを使用するとより簡単に切り抜くことができますよ。
その他の素材を切る
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薄いフィルムのカット
薄くてハサミでは真っ直ぐ切りにくいフィルム素材も、カッターマットの上で作業することで綺麗に切ることができます。
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ミシン目を入れる
ロータリーカッターで紙を切ることももちろん可能です。
ミシン目が入れられる刃を使って紙に切れ込みを入れておけば、チケットやフライヤーなどの切り取り線に加工を入れることもできます。 -
ミシン目を入れたところを千切るとこんな感じです。
グリップの形状の違い
形状による用途の違い
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セーフティ付きのタイプ
セーフティロータリーカッターは、グリップを握ると刃が出て使用できるようになるタイプです。
横向きに倒した状態で使用するので、主に直線の裁断に向いた形状です。
下向きに力が入れやすいため厚手に生地の裁断の際にも使用しやすいでしょう。 -
柄が真っ直ぐのタイプ
最も種類の多い柄から刃までが1直線上のタイプは立てて切ることも、少し倒しながら切ることもできる形状です。
刃が出ている面積が多いので使用の際には注意が必要です。作業の際に刃を立てるようにすることで、裁断している位置が確認しやすいので、型紙を使って切るときなどにはこちらが向いています。
ロータリーカッターとカッターナイフ
形状を比較
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ロータリーカッターとカッターナイフは同じように薄いものをカットする際に使用する道具です。
円盤状のはとナイフ状の刃で全く違った形をしています。 -
刃の厚みはロータリーカッターの方が薄く、カッターナイフの方がしっかりしています。
そのため、カッターナイフの方が多少硬いものやダンボールなどの厚いものも力を入れて切りやすいです。
切れ目を比較
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布を裁断
布地の裁断に向いているロータリーカッターと、紙などを切断する際よく使うカッターナイフでは同じように布の裁断ができるのかどうかを比較してみました。
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ロータリーカッターの場合
ロータリーカッターは刃に角がないため布地に引っ掛からず、スーッと引くだけで布をカットすることができました。
裁断の仕上がりも、刃が通った綺麗なラインが出ています。 -
カッターナイフの場合
カッターナイフは切断に使用する部分が刃の角になっている部分のため、柔らかい布は引っかかってしまい、カッターナイフを動かすときにしわが寄ってしまいやすいです。
そのため、シワの上から刃が通りガタガタとしたラインになってしまいました。 -
布を裁断するなら
どんな道具でも布地をうまく切ることができるというわけではないようです。
布地を裁断したい場合にはロータリーカッタを使用するのがやはりおすすめです!
刃の交換の方法
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刃は消耗品です。
折り式のカッターの刃と同様、ロータリーカッターも切れ味が悪くなってきたら刃を交換する必要があります。
切れ味の悪いまま使い続けると、布が全然切れず、何度も刃を当てないといけなくなり切断面が汚くなってしまいます。
1回で切れなくなったな、と思ったら刃を交換するようにしましょう。
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パーツを取り外す
オルファ製のロータリーカッターLLを使用して説明していきます。
刃は鋭利なため、取替の際は手を怪我しないように作業用手袋をするなどして注意してください。まず、ロータリーカッターの裏側のナットの部分を緩めて外してください。
すると刃を固定しているパーツがすべて外れます。 -
刃を交換する
刃の中心は、空転しないような形状になっています。
裏表は特にありません。 -
留め具をつけて本体に
表から留め具と一緒に刃を本体に戻します。
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ナットを締める
裏に向けて、ワッシャーを通しナットを締めて交換完了です。
ナットはきつく締めると刃の回転が重くなり、逆に軽く締めておくとクルクルと回転しやすくなります。
裁断の際に力の入れやすい具合を試しながら調整してください。