フローリングは木質の床用の材料で、一般的に室内の床材として多く取り入れられています。側面に実(さね)加工されていてはめ込む形で施工できるようになっています。
耐用年数は約10〜30年ほどと言われており、施工してから長く使用できます。木が素材なので、普通に生活している上で年々ついてしまうキズや、水濡れ、日焼けによって劣化していくと表面が白っぽく色が変わったり、ささくれてきてしまったりすると張り替えが必要になります。
メリットとして、畳やカーペットのように埃や汚れが絡みつかないためお掃除やお手入れがしやすいこと、ダニやカビが発生しにくいことなどがあげられます。
フローリングの種類と選び方
フローリングとは
フローリングの材質の種類
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フローリングは大きく分けると、「単層(無垢)フローリング」と「複合(合板)フローリング」の2種類になります。
複合(合板)フローリングは合板を基盤として表面を化粧張りで仕上げているもので、さらに3種類に分けられます。
無垢フローリング
- 単層(無垢)
- 天然木100%
- 木質感:◎
- お手入れ:×
挽板フローリング
- 複合(合板)
- 挽板+合板
- 木質感:◎
- お手入れ:△
突板フローリング
- 複合(合板)
- 突板+合板
- 木質感:○
- お手入れ:○
シートフローリング
- 複合(合板)
- シート+合板
- 木質感:×
- お手入れ:○
タイプ
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化粧材
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耐用年数目安
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サイズ
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目安価格(m²あたり)
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無垢フローリング
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単層フローリング
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100%天然木(無垢材)
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約30年
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長さ:1820mm
厚み:12~15mm 幅:90mm、120mm |
4,000円~12,000円
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挽板フローリング
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複合フローリング
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合板基材+天然木の挽き板(厚2mm)
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約10〜20年
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長さ:1820mm
厚み:12〜15mm 幅:150~190mm |
6,000円~13,000円
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突板フローリング
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複合フローリング
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合板基材+天然木の突き板(厚0.3~1mm)
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約10〜20年
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長さ:1820mm
厚み:12mm 幅:303mm |
3,000円~6,000円
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シートフローリング
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複合フローリング
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合板基材+木目柄のオレフィンシートや樹脂シートの印刷シート
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約10〜20年
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長さ:1820mm
厚み:12mm 幅:303mm (1本溝 約150mm幅/2本溝 約100mm幅) |
3,000円~5,000円
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フローリングの材質の特徴
一覧
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無垢フローリング
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挽板フローリング
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突板フローリング
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シートフローリング
無垢フローリング
無垢フローリングとは、天然木をそのまま使用した板材を加工して形成された床材です。木の持つ自然な風合いや香り、そのままの素材の色、経年変化を楽しむことのできる、他にはない一番質感の良いフローリングです。木のやわらかさや暖かみを足裏から感じることができます。
無垢材の良いところは、季節・気候に合わせて木が呼吸するため、調湿効果、断熱効果が高く快適に過ごすことができる点です。自然の素材を感じながら過ごしたい方に向いているフローリング材のため、表面の塗装はオイルで仕上げられている物も多いです。
しかし湿度や温度の影響で木が収縮・膨張を繰り返すと、反りや割れなどの変形が起きることもありますので、保護効果を保つためオイルを定期的に塗ったり、水分をこぼしたら染み込む前に手早く拭き取ったり、乾燥の縮みを防ぐため加湿したりなど、メンテナンスが必要になります。
お手入れをしっかり行うことによって他よりも長く使用することが可能です。
メンテナンスをしていても無垢を使用していると「床鳴り」が起きることがありますし、隙間ができればホコリが多く詰まります。自然素材と付き合っていくことに面白みを感じる方のライフスタイルには合っているでしょう。
無垢フローリングの幅は90mm、120mmが多く、150mmを超えるものは材料が確保しづらいためほとんどありません。幅広のフローリングを使用したい場合は無垢ではなく複合フローリングを使用するのがおすすめです。
挽板フローリング
挽板(ひきいた)フローリングとは、合板基材に2~4㎜程度に切り出された無垢材を表層に接着して作られた床材です。無垢材ように意匠性の高い木質感がありながら、合板の収縮や膨張などの変形が少ない合板の機能性を併せ持ったいいとこ取りのフローリングです。見た目は無垢フローリングと遜色ありません。
100%天然木の無垢材はメンテナンスが大変な面がありますが、挽板+合板であればメンテナンスが少なくても変形などの心配もほとんどありませんので、無垢の床材にしたいけどお手入れが頻繁にできないという方におすすめです。
木が収縮・膨張するため無垢フローリングではお勧めしない床暖房や、ホットカーペットの使用も、挽板フローリングであれば対応が可能です。
近年流行している150mmを超える幅広のフローリングも作られています。
突板フローリング
突板(つきいた)フローリングは、合板基材に0.3〜1㎜程度にスライスされた薄い木のシートを表層に接着して作られた床材です。無垢や挽板ほど自然のままの状態とは違いますが、木の持つ風合いを活かしたフローリングです。シートフローリングのように人工的に作られたものではなく自然の木目を使用していて、値段をおさえたい方にぴったりです。
表層が薄いため、ウレタン塗装でしっかりと保護されています。表面に深い傷がついてしまったり、剥がれてしまうと補修が難しいのが難点です。
多くが大手建材メーカーで生産されており、着色によりホワイト系からダークカラーまで色味も豊富にあります。
シートフローリング
シートフローリングは、合板基材に精巧な木目柄を印刷したシートを表層に接着して作られた床材です。
表面には天然木は使用されておらず、高い印刷技術で質感まで木目を再現された製品です。大理石柄のような石目調の製品もあります。
無垢や挽き板のように経年変化を楽しむということはなく、使用期間が長くなるとただ劣化していきます。
他のフローリングと比べると、価格は一番安価で、水に強くお手入れがしやすいのがメリットです。
比べてみたところ
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無垢と挽板の表面
実際のフローリングサンプルを並べて比べてみところ、複合(挽板)フローリング【上】と単層(無垢)フローリング【下】では、ぱっと見ても違いはほとんどありません。断面を見ないとどちらがどっちかというのがわからないと言えるでしょう。
無垢フローリングの意匠性の高さを求める方でも、機能性が必要な場合は挽板フローリングを使用すればほぼ遜色のない仕上がりになります。
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仕上げ塗装の違い
天然木の雰囲気を存分に味わうにはオイル塗装の仕上げがおすすめです。
左から、ウレタン塗装、オイル塗装、無塗装になっていますが、まずは見た目が変わってきます。
ウレタン塗装したフローリングはツヤツヤとした状態で光を反射し、手触りも木ではなく樹脂のツルッとした冷ややかなものになります。
それに対してオイル塗装や無塗装の状態は、木そのままのサラサラとした手触りで柔らかさや温もりを感じることができます。ただしオイル塗装する濡らしたような濃い色味に変わってしまいますので、元の木の色が気に入っている方は施工後色が濃くなってイメージと違ってしまったということもあるかもしれません。選ぶ時は塗装後の色味を確認しながらの方が良いでしょう。
フローリングの選び方
用途に合わせて選ぼう
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部屋に合わせて選ぶ
フローリングは木質の床材のため水がかかりやすい場所で使用するには不向きです。リビングや寝室のように見た目の美しさを意識したお部屋では、無垢フローリングや挽板フローリングはお勧めです。
洗面脱衣所やトイレのように水を使用する場所であれば、機能性を重視して、耐水性があり掃除のしやすいクッションフロアを使用する方が良いでしょう。
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見た目で選ぶ
床の色味で部屋の雰囲気は大きく変わります。
無垢フローリングや挽板フローリングには様々な種類の木材が使用されています。
樹種によって白っぽいものから、赤褐色のもの、木褐色のもの、1つの樹種でも濃淡の差が大きいものと色々です。
木目の出方もそれぞれ違っていて、はっきりとした木目のものやぼんやりとした木目のものがあり、和の雰囲気になったり、北欧の雰囲気になったり、どの樹種を使用するかによってテイストが変わってきます。突板フローリングやシートフローリングは、塗装によるカラーバリエーションが豊富です。色味が安定しているため、部屋のイメージに合わせて使用したいカラーを選ぶと良いでしょう。
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幅で選ぶ
90mm、120mm、150mmの幅の規格サイズがありますが、近年は意匠性の高い幅広タイプが人気があります。
フローリング材で作るヘリンボーン張りには90mmよりも幅の狭いタイプも使用されることがありますが、幅の狭いサイズは加工費がかかるため材料費が高くなることがあります。
フローリングの施工デザイン例
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フローリングの張り方にはいくつか種類があります。同じ素材を使用しても張り方によっては印象が大きく変わります。
乱尺張りが最もよく見る施工方法ですが、意匠性の高い仕上がりを求める方にはその他の張り方もおすすめです。DIYでは斜めになっているデザインの施工は難しいため、専門の業者さんに頼んで施工してもらうのも良いでしょう。
まとめ
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フローリングを施工するタイミングは、家を建てる時やリフォームを行う時と大きなタイミングだと思います。
部屋の大きな面積を占める床はお部屋作りのキーになりますよね。イメージを膨らませて、毎日過ごすお部屋がお気に入りの場所になるようにフローリングを選んでみてくださいね!