ご家庭に必ずあると言っても過言ではない延長コード。壁などに設置されているコンセントの数だけでは足りないときに、複数のコンセント差し込み口があるため大変重宝します。
とても便利なアイテムである延長コードの種類や、使い方の注意点をみていきたいと思います。
延長コードの選び方、いまさら聞けない配線の知識
延長コード、電源タップとは
延長コードの基礎知識
延長コードのことを知る
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名称
延長コード、電源タップは、コンセントの差し込み口を増やしたり、差込口の形状を変えたりして使いやすいようにしてくれるアイテムです。
電源タップ、OAタップ、コンセントタップ、マルチタップ、タコ足配線などとも呼ばれています。
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メリット・デメリット
【メリット】
- 複数の電気機器を使用できるようになる
- コンセントをまとめられてすっきりする
- 壁際以外でも電源を使用できるようになる
- 雷サージ機能付きのものを使用することで電気機器の故障を未然に防ぐ
- コンセントの差込口を変換できる
【デメリット 】
- 目につきにくい場所に設置してホコリが蓄積し、火災につながることもある(トラッキング現象)
- コードの長さが余ってしまい折れ曲がったまま使用することで火災の原因となることもある
- 電気を使いすぎてしまわないように注意が必要
コンセントの定格電圧
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電気機器の使用容量
日本の一般家庭用のコンセントでは、1カ所あたり流せる電流の使用制限は15A(アンペア)までです。
延長コードを使用する際には、電気を使いすぎないように使用容量に気を付ける必要があります。 -
アンペア・ボルト・ワット
電気を表す単位にはこの3つがあります。
・アンペア(A)=電流
電気の流れる量の大きさ。1コンセントあたり15A。
・ボルト(V)=電圧
電流を押し出す力。日本の家庭の電圧は100V。
・ワット(W)=電力
消費される電気の使用量。この3つの関係はこのような式で表すことができます。
電流(A)×電圧(V)=電力(W)1つのコンセントに対して使える消費電力(W)は、15A×100V=1500Wになります。
家庭にある様々な電化製品を見ると、例えばテレビだと250Wように消費電力が表示されていますよね。このワット数を超えないように使用する必要があります。
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安全に使用するために
延長コードの裏側を見ると注意書きが記載されているものがほとんどです。この内容を守って使用するようにしてください。
「15A-125V」の表示がある場合は、定格電流が15A、定格電圧が125Vの間を超えないように使用してください。
例えば、
電子レンジ600W、電気ケトル1250Wだと、合計すると1850Wになってしまいます。この場合は延長コードで繋いだ状態で同時に使用することはできません。
延長コードの種類
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延長コード、電源タップには種類が様々あります。
場所によって、形状や機能、デザイン性の合うものを選ぶことで、より快適に電気機器を使用できますよ。
形状
直付けタイプ
- 差し込み口数を増やす
- コーナタップ
- トリプルタップ
- など
延長コードタイプ
- コンセントから離れた所でも電源を取れる
電工ドラム/コードリール
- 延長コードをドラムに収納できる
- 熱がこもりやすいので注意
リーラーコンセント
- 天井から吊り下げられたコンセント
- シーリングやダクトレールに取り付けて使用できる
機能
スイッチ付き
- 待機電力の消費を防ぎ節電に役立つ
- 通電状態のオンオフの切替えができる
手元スイッチ
- 手元でオンオフの切り替えができる
シャッター付き
- 差込口に埃の侵入を防止するシャッター付き
- 火災予防
抜け止め防止機能
- プラグが誤って抜けないようにする機能
- 機器の故障などトラブル防止
防雨型プラグ
- 防水構造
- プラグとコネクタが隙間のない様に接続できる
- 通電部分に水が入らない構造
- 屋外コンセント用
- 車の洗車など屋外での作業
雷ガード
- 雷による過電圧・家電流を吸収して、機器の故障を未然に防ぐ
- ゲリラ豪雨が多い場所に◎
作業用延長コード
- ケーブル部分を包む被膜が柔らかく丈夫
- 地面に引きずるような作業でも耐久性の高いコードで安心
USB充電付きタップ
- USBの差込口付き
- スマホの充電に役立つ
3ピンプラグ対応
- OA機器などをアダプタなしで接続できる
デザイン、見せ方
差し込みフリー
- どこにでも挿せる
- 差し込みのサイズが合わず困ることが減る
回転式差し込み口
- 差込口の向きを回転させることができる
タワー型
- 自立する
- 省スペース
- 360度どの方向からでも挿せる
- 大量のコンセントを接続できる
クランプ付き
- 机などへ仮固定ができる
延長コードの選び方
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使用目的や配置場所
どんな電気機器を使用するのかによって延長コードを選ぶと良いです。
デスク周りでOA機器を繋ぐことが多い場合はプラグの形状に合わせた「3ピンプラグ対応」のものを、携帯電話を充電するなら「USB充電付きタップ」がおすすめです。
他にも、雷で急に大きな電流が流れて家電が故障してしまわないようにする雷ガード付きのものや、差し込み口の中にホコリが侵入しないようにするシャッター付きのもの、抜け止めのついたものなどを使用することで火災を防ぐという付加機能のある延長コードもおすすめです。
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コードの長さ
コンセントと使用したい電子機器の場所が離れている場合には、適切な長さのコードのものを選んでください。
大は小を兼ねるとは言いますが、延長コードが長すぎて束ねて使用していたり、絡まりねじれてグチャグチャになったまま使用しているかもしれません。そうなるとコードの曲がっている場所の内部で劣化が進み、動線がショートし、発熱して火災が起きることも…。
あまりにぴったりの長さすぎると、コンセントから抜けてしまうこともありますので、少し余裕のあるくらいの長さの延長コードを選ぶと良いでしょう。
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差し込み口をチェック
使用していると、プラグの形状も様々あることに気づきます。
プラグがコンパクトのものばかりであればそこまで困ることはないかもしれませんが、大きいプラグだととなり合う差し込み口に重なってしまい使えなくなってしまいます。そんな時は差し込み口の間隔が広い物を選んだり、差し込み口フリーのものを使用すれば最大限プラグを差せるのでいくつも延長コードを使用しなくてもすみますよ。
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デザイン性の高いものを選ぶ
延長コードが部屋の中で丸見えになっていると、部屋をオシャレにしていてもインテリアから浮いてしまいますよね。
そんな時は、コードを隠すケースを使用するのも1つの手ですが、デザイン性の高いコンセントを選ぶのも良いでしょう。
例えばカラーが白や黒ばかりでなく木目調のものも販売されていて家具やフローリングに色味が馴染みます。他にもタワー型のものを使用するとすっきりとまとまって見えるのでデスクの上など目につきやすい場所に置くのにもおすすめです。
延長コードの使用上の注意
事故を防ぐために
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ホコリは火災の原因に
延長コードはできるだけ隠れた場所に設置しないようにしましょう。ホコリが溜まっていることに気づかずに、トラッキング現象が起きて火事につながることがあります。
こまめに掃除をして発火を防ぎましょう。
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コードを折り曲げない
コードに電流が流れると熱が発生します。 もし手で触れないほど熱くなっている場合は、コードの内側の動線が断線していることが考えられます。
そうすると高熱によりコードが溶けてしまったり、火花が出て火事につながることもあり危険です。延長コードは折り曲げた状態で使用しない、絡まったりねじれたり、重いもので踏んだままの状態で使用しないことを心がけてください。
PSEマーク付きの延長コード
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安全性の高い製品
PSEマークとは、国の定めた技術基準である「電気用品安全法」をクリアしていることを示すマークです。このマークが付いている延長コードは安全性が確認された製品ということです。
今では100円ショプなどでも安価に手に入る延長コードですが、使用上火災などの事故につながる可能性もあり危険な面もあるため、より安全に気をつけたい方はこのマークの有無をチェックしてみてください。
消費電力を計測できる便利な道具
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ワットチェッカー
コンセントに取り付けた状態で電化製品を接続ことで、消費電力や料金をチェックできる「ワットチェッカー」という測定器があります。
もし延長コードにつないでいる電化製品の消費電力がわからない、知りたいという場合はこの道具を使って調べてみるのもいいですね。
まとめ
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延長コードや電源タップは同じような形でたくさんの種類があります。
単に壁などに設置されているコンセントの数だけでは足りないから使用するのではなく、便利な機能付きのものを選べばもっと安全に電化製品を使用できるようになります。
皆さんのお部屋や使用用途にあわせたちょうど良い延長コードをぜひ使ってみてくださいね!