円形の刃(チップソー)を回転させて材料を直線に切断するための電動工具です。 直線を正確に素早く切断することが得意で曲線カットはできません。刃が回転する動きは危険な為、使用する際に怪我につながらないよう十分気を付けて作業する必要があります。
丸のこの使い方
丸のことは
丸のこでできる作業
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丸のこでは、大きな板材や角材を切断することが可能です。
直線的に動かすだけの動作ではありますが、角度や使い方を工夫することで様々な作業が可能です。【直線カット】
基本的な使い方です。【角度切り】
刃の角度を変えることで断面を任意の角度で切断することが可能です。【溝切り加工】
直線カットの応用で、角材などに何ヶ所か2〜3mmおきに切れ込みを作り、残った部分をのみなどで落とすことで溝を掘ることが可能です。
丸のこを使用する前に
切り込みの深さをセットする
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刃は出しすぎないこと
材料を切断する前に、切り込みの深さをセットしておきます。
刃は材料の厚みよりも3〜5mm程度超えているくらいがちょうど良いです。
刃を出しすぎていると、刃が材料に挟まれて負荷がかかり怪我につながる恐れがあります。
作業環境を整える
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当て板を用意する
板材を切断する際には、板の下に置いて材料と一緒に切っても良い当て板を準備しておくようにしてください。
当て板の上に材料を乗せて作業ができるので安定していて、作業を安全に行うことが可能です。
当て板の素材は、ベニヤ板でも良いですし、スタイロフォームと呼ばれるものでも構いません。当て板ごと材料を切ることで、切ったときにできるささくれ(バリ)を抑えることもできます。
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作業台からズラして切断すると
材料を作業台の外側に出して、丸のこの刃が作業台を傷つけない外側にある状態で切断を進めていくと、だんだんと材料の重みでズレが生じます。
このズレが刃に引っかかったりすると、材料と丸のこが予期せず弾かれて怪我をしてしまうこともあり危険です。 -
キックバックとは
こういったズレや、木材の反りなど様々な原因から、回転中の刃に圧力が加わり、回転に反発する力が働くことで、丸のこが跳ね返ってしまうことをキックバックと言います。
キックバックが起きないように、無理なく作業することが重要です。
対策として以下に気をつけるようにしましょう。
・安定した台(当て板)の上で切断する
・クランプでしっかり固定する
・丸のこの回転の延長線上に立たない
・切断する線が曲がらないようにする
・刃を出しすぎないようにする
直線カットの方法
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切断位置を正確に合わせる
材料に切断位置をしっかりと墨付けしておきましょう。
丸のこのプレートには、切断する際に目安となる位置を記しているものもありますので、墨線をその位置に合わせて作業を進めれば基本的には真っ直ぐに切断することが可能です。
プレートの目安の位置と、刃の当たっている位置がずれていないかをしっかり確認してから切り始めましょう。 -
ライト搭載のものも
切断している最中、墨線を確認しようにも手元が暗くて線が見えづらいということがあります。
そんな時は、刃の切り込む位置を照らしてくれるライトを搭載している機種を選ぶのも良いです。
墨線を確認しやすいことで、真っ直ぐ切りやすくなります。 -
ガイドを使用する
プレートの線に合わせてまっすぐ丸のこを進めるだけの作業よりも、ガイドを使用するとより精度が高く切断することが可能です。
プレートに差し込むタイプのガイドは、材料の側面に沿わせて使用します。
材料の側面と並行に切断していく際にとても便利です。 -
長い板をガイドとして使用する
手元に専用のガイドがない場合には、真っ直ぐで長尺の板をガイドとして使用することができます。
材料の上にガイドとなる板を乗せて、丸のこの刃の当たる位置を合わせたら、板と材料をクランプで作業台に固定しておきましょう。注意点は、使用する板が真っ直ぐであるかどうかをしっかり確かめておくことです。
木は自然のものであるため、反りやねじれのあるものもあります。木が反っていれば切断するラインもそれに合わせてズレてしまいます。
切断角度を設定する
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直角を確認してから使用する
丸のこを使用する前には、刃が直角に設定されているかをさしがねやスコヤで確認しておくと正確です。
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刃の角度
丸のこでは、本体を傾けた状態に設定することで直角から45度までの角度切りが可能です。
プレートの前後には角度の書かれた目盛りがあり、任意の角度に合わせて使用します。 -
0度
通常のまっすぐ切断する際の状態です。
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15度
少し傾けた状態です。
面取り加工のように使用してもよいです。 -
45度
大きく傾いた状態です。
45度に合わせた切断では、フレームを作りたいときなどに角材をカットする際に使用すると良いでしょう。
刃の切り込み深さ
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材料の厚みによって変える
刃の切り込みの深さは、刃の直径の半分よりも小さくなります。
厚みのあるものを切断したい場合は、刃の直径が大きい機種を使用するようにしてください。また、切り込みの深さは直角の状態で使用するよりも、角度をつけて使用した時の方が浅くなります。
機種ごとの斜め切りの対応角度と切込みの深さの記載をチェックしておきましょう。 -
切り込みの深さが深くなると、刃がたくさん出ている状態になります。
切断時に刃が材料に当たっている時間が長くなり、負荷もかかりますので、この時は無理に本体を押し進めないようにして作業するようにしましょう。
チップソーの取り替え方
準備するもの
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丸のこ本体の刃を固定しているボルトに合うレンチを用意しておきましょう。
刃を取り替える時は、必ず電源コードを抜いておく、もしくはバッテリーを取り外してください。誤ってスイッチを押して動かしてしまわないようにします。
チップソーを取り替える
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ロックレバーを押す
本体のサイドにレバーが付いています。このロックレバーを引くことで、刃の回転を止めることができます。
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ボルトをゆるめる
ロックレバーを押しながら、レンチでチップソーを固定しているボルトを緩めます。
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フランジをはずす
ボルトを取り外すと、円盤状のフランジも一緒に外れます。
また取り付ける際に向きを間違わないように注意してください。 -
チップソーをはずす
安全カバーをスライドさせて、チップソーを外します。
取り外した後、新しい刃に交換して、先ほどとは逆の順番で取り付けていけばOKです。刃の取り付け方向を間違わないように注意してくださいね。
丸のこを使用する際には
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粉じん対策をする
丸のこでの切断作業中はかなり大量の切り粉が発生します。
部屋の換気をよく行って、集塵機を用意しておくようにして、粉じんを吸い込まないようにしてください。 -
作業中にあると便利
粉じんを吸い込まないようにする為、マスクは必須です。
また、作業用の眼鏡、防音イヤーマフを準備しておくことで自身を守るようにしてください。 -
コードは肩にかける
コードタイプの丸のこを使用している際、電源オードを材料と一緒に切ってしまった、という話をたまに耳にします。
コードは肩にかけて、常に進行方向とは逆に来るようにするとそんな心配はなくなりますよ。