コンパスのように円を描きながら材料をくり抜くための道具です。ドリルではあけられないような大きな径の穴をあけたいときに活躍します。
自在錐の使い方
自在錐とは

自在錐の使い方
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自在錐を電動ドリルに取り付けることで、木材や石膏ボードに大きな径の穴をあけることができます。
セットの仕方
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構造
バーの両側に刃を2枚取り付けられるようになっています。
主軸に専用のセンタードリルを取り付けることで、回転させる際にずれないようにします。 -
バーの止めネジを締める
バーと主軸がガタつかないように、内側にあるネジを閉めて置きます。
バーの中心に軸がくるようにしておいてください。 -
刃を取り付ける
バーに刃を差し込み、端には安全ストッパーをつけておきます。
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目盛りに刃を合わせる
バーには目盛りがついています。
刃のホルダーの内側に目盛りを合わせて、任意の数字のところで「ホルダー止めネジ」を締めて固定しましょう。穴形目盛りはあくまで目安となりますので、正確な径を出すためには一度試し穴をあけることをお勧めします。
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センタードリルを取り付ける
センタードリルには、厚板用と薄板用の2つが付属されているものがあります。
板の厚みに合わせてセンタードリルも使い分けると良いでしょう。センタードリルを軸に差し込んだら、「センタードリル止めネジ」を締めてしっかり固定しておきます。
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ドリルにセットする
自在錐のセットができたら、電動ドリルに取り付けます。
安全のため、回転数は1500回転/分以下の電動ドリルで使用するようにしてください。
またハンマードリルには取り付けない、鉄板、金属板、ザイディングボード、硬質材の穴あけには使用しないでください。
穴のあけ方
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刃を合わせる
あけたい穴径に刃を合わせます。
バーに書かれている数字は穴の直径を表していますので、両サイド共に同じ数字のところに合わせます。
付属の六角棒レンチでネジを確実に締めます。 -
当て板を準備する
穴をあけたい材料の下には必ず当て板(添板)を置いてください。
センタードリルが貫通するので、作業台を傷つけるのを防ぎます。
また、くり抜き終わりに貫通するときにも添え板があることで作業が安定します。 -
まずはセンターを合わせる
センタードリルの先端を、穴の中心点に合わせます。
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円を切っていきます
センタードリルが入り込んでいくと、刃が材料に当たり始めますので、水平に当たるように気を付けて作業を進めます。
このときに、ドリルを押しつけすぎないようにして、刃が材料に適度に当たりながらしっかり回転する力を保ってください。 -
彫り込みの溝を確認する
刃が材料に当たり始めたときに、左右に合わせた刃がきちんとセットされていたかを確認します。
刃がずれていると綺麗にくり抜くことができません。自在錐で円を描くとき、内刃と外刃の間隔3mm程度できているのが最適な状態です。
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貫通するまで回転する
刃が確認できたら、そのまま切り進めていきます。
薄板の場合はそのまま貫通させて簡単にくり抜くことが可能です。多少バリが出やすいので、もし気になる場合は貫通の前に裏返し、裏からも同じように切り進めていくとバリは減りますよ。
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最後にやすりをかける
繰り抜いた後は断面が荒くなっていることが多いため、やすりで整えてください。
厚板をくり抜く場合
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板を裏返す
薄板と同様に切り進めていき、板の半分くらいまできたら一度作業を止めて材料を裏返します。
裏から見ると、センタードリルの貫通穴がありますので、そこにまた自在錐を合わせます。 -
裏からも切り進める
裏からも同じように作業を続けていき、材料がくりぬけたらOKです。
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片側からくりぬける厚みの倍の厚みの板であれば、両側から作業することで穴あけ可能です。
作業上の注意
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回転範囲に注意
刃やドリルが手に当たると大変危険です。
特に回転中に体に触れると大怪我につながる恐れがあります。刃の回転範囲には十分気をつけて、そこに手やクランプなどの障害物が当たらないようにしてください。
まとめ
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自在錐を活用しよう
円形の穴をあけたいとき、ジグソーでフリーハンドで切り抜くという選択肢もありますが、美しい正円にはなかなかなりません。
綺麗な円を切り抜くためにもぜひ自在錐を使用してみてくださいね。