木材同士を継ぎ合わせる際に使用する小さな木の棒です。木の板同士を継ぎ合わせる、組み立てる、ネジ頭を埋めて隠すなどの使い方があります。
木ダボの使い方
木ダボとは

木ダボの基礎知識
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ダボ継ぎは、材料の内部にダボを埋め込むことで表面には継ぎ合わせた加工あとが見えず、美しい状態で仕上げられるところが魅力です。
ダボを使用する際には、継ぎ合わせたい材料の両側にダボの径と同じ径の穴をあけ、ダボを差し込み、組み合わせるようにします。
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ダボの径には6、8、10、12mmと種類があり、長さも短めのものから少し長めのものまであります。
板のサイズに合わせてダボのサイズも選ぶようにすると良いでしょう。
木ダボの施工に必要な道具
木ダボ
- 円筒形の木の棒
ダボマーカー
- 先端がピン状のマーカー
ドリルガイド
- 垂直に穴をあけるための道具
ドリル
- ダボを埋める穴をあける
ダボ錐/皿取り錐
- ねじ頭を隠すときに使用するドリル
ダボ継ぎの方法
板を横に継ぎ合わせる
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墨付け
ダボを差し込みたい位置に墨付けしておきます。
2枚の板同士を継ぎ合わせるときには、まずは片側だけ墨付けするようにすればOKです。
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垂直に穴をあける
ダボ継ぎをするときには垂直に穴あけをすることが重要です。ダボが斜めに刺さっていると組み合わせがうまくいかなくなってしまいます。
穴をあける際はドリルガイドを使用することをお勧めします。穴の深さは、ダボの長さの半分より2〜3mm深めにあけておきます。穴が深すぎると反対側に差し込む部分が短くなってしまいます。
深さの目安となるようマスキングテープを巻いておくとわかりやすいでしょう。 -
ダボマーカーで印をつける
墨付けしていた位置に穴があけられたら、ダボ用マーカーを穴に差し込み、反対側の板を押し付けます。
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しっかり押し付けると、マーカーの先が刺さり凹んで印がつけられます。
こうすることで、2枚の板がぴったり合わさる位置にダボ穴があけられるようになります。先ほどと同じように、ドリルガイドを使用して垂直に穴をあけてください。
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ダボを入れる
穴にダボを差し込みます。奥まで入れるために、軽く金槌で叩きます。
しっかり組み立てるためには木工用接着剤を使用してください。
穴の中に少しずつ入れて、合わさる面にも塗っておくようにします。 -
板同士を合わせる
片側にダボが差し込めたら、反対側の穴の位置に合わせます。
ダボマーカーを使用しているので、ぴったりの位置に差し込めるはずです。 -
ダボ継ぎの完成
2枚の板をぴったりと継ぎ合わせることができました。
このときにズレてしまうようであれば、マーカーで印をつける際にズレた状態で印をつけてしまっているかもしれません。
穴をあける位置が重要になってきますので、丁寧に作業してみてください。
失敗例
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ドリルガイドを使用せず穴をあける
ダボ継ぎの失敗で多いのが、
・穴の位置がずれてしまってダボが両側にぴったり入らない
・ダボは刺さったが板がずれてしまう
というものです。 -
自身のスキルで真っ直ぐ穴をあけられたと思っていても、微妙なズレが生じてしまうことがあります。
多少のズレは気にならないという方は、ダボ同士が両側に刺されば問題ありません。
仕上がりを重視される方は、ダボマーカーとドリルガイドを使用してみてくださいね。
ダボを使用して組み立てる
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垂直に継ぐ
先ほどと同様に、ダボ継ぎたい場所の両側に穴をあけます。
片側に穴をあけられたら、ダボマーカーを取り付けて反対側の板に押しつけましょう。このとき、板の厚みとダボの長さに気をつけてください。
穴をあけるときに板を貫通してしまわないよう、板の厚みの8割ほどのところまでの深さで穴をあけるようにしましょう。 -
ダボを差し込み組み立てる
材料の両側に穴があけられたら、ダボを差し込んで組み立てていきます。
差し込むときに手では固く入り込みにくければ、当て板をしてハンマーで叩き込んでください。 -
組み立てて完成
表面はネジの頭が見えたりせず、素材がそのまま美しい状態で仕上げることができました。
ネジでの組み立てとは違い手間はかかりますが、見た目の美しさが際立ち完成度が高いため、見た目にこだわりたい方はチャレンジしてみてください。
ネジ頭を隠す
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ダボ錐、皿取錐を使用する
ネジで組み立てをしたものの完成度を高めたいときには、ネジの頭をダボで埋めるという方法があります。
先端が下穴錐になっていて上側がドリルになっている錐を使用すると、ネジ用の下穴とダボを埋めるための穴を同時にあけることができます。
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穴をあける
ネジで組み立てたい位置に穴をあけます。
皿取錐では、ダボの径と同じ穴が貫通してしまわないように板の厚みに注意して作業してください。
ダボが入り込む深さは、大体1cmほどあれば十分です。浅過ぎると、上から被せたダボがぽろっと取れてしまうことがあります。穴があけられたら、ネジを埋め込むようにして留めておきましょう。
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ダボを被せる
ネジの上からダボをかぶせます。金槌を使用して、奥までしっかり入れ込んでください。
飛び出したダボは、ダボ切り用の「あさり」のないのこぎりを使用することで、材料の表面に傷を作らず、面に沿った状態切り落とすことが可能です。
刃をしならせて浮かないようにしながら丁寧に切り落としましょう。 -
仕上がりの違い
ビス留めとダボ埋めの仕上がりの違いは、ビスが見えている方は無骨な仕上がりのようで、ダボで埋めている方が素材感が統一されて見た目も良いように見えます。
制作物の見える部分はダボ埋めで仕上げ、見えない裏側の部分はビス留めにするよう使い分けるのもよいでしょう。仕上がりは好みもありますので、ビス留めとダボ埋めのそれぞれの良さを活かして作ってみてください。